現在転職を考えている皆さん、企業への応募方法はどのように選んでいますか?紹介会社を利用したり、転職サイトに登録したり、企業の公式サイトから直接応募したり、方法はさまざまですよね。
この記事では、元採用人事担当者としての経験を活かして、各応募経由の特徴と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します!
はじめに
皆さん、転職先をどうやって見つけていますか??
転職サイトに登録したり、エージェントに相談したり、企業のサイトを直接チェックしたりですね!
実は、どの方法で応募するかによって、選考に影響を与えることがあります。この記事を通じて、各応募経由の特徴と企業の視点から見たメリットとデメリットを知りながら、転職活動に役立ててください!!
応募経由の紹介とそれらの特徴
ここでは、主要な応募経由とそれらの特徴について紹介します。
主要な応募経由
転職サイト
転職サイトは、求人情報を提供するプラットフォームです。求職者は無料で求人情報を閲覧・応募できますが、企業は掲載料を支払っています。
代表的な転職サイト:リクナビNEXT、マイナビ転職、エン転職
エージェント紹介
エージェント紹介は、転職エージェントが間に入って求職者と企業を結びつけるサービスです。
代表的な転職エージェント:リクルートエージェント、doda、マイナビエージェント、JACリクルートメント
直応募
直応募は、求職者が企業の公式サイトや求人情報サイトから直接応募する方法です。
各応募経由の特徴
応募経由 | 求職者視点:メリット | 求職者視点:デメリット | 企業視点:採用コストの有無 |
転職サイト | ・多くの求人情報があり、検索機能で自分に合った求人を見つけやすい。 ・スカウト機能があり、企業からのアプローチを受けることもある。 | ・競争が激しく、人気の求人には多くの応募が集まる。 ・応募管理や面接対策などをすべて自分で行う必要がある。 | ・求人掲載費用がかかるが、採用人数にかかわらず一定期間の掲載で追加費用が発生しない。 ・多くの応募者を集めやすいが、費用が高いため、コストパフォーマンスを重視する場合が多い。 |
エージェント紹介 | ・専門的なキャリアカウンセリングを受けられ、応募書類の添削や面接対策などのサポートもある。 ・年収や条件交渉を代行してくれる。 | ・エージェントが契約している企業の求人しか紹介されない。 ・エージェントの質により、サポートの質が異なる。 | ・成果報酬型で、内定が決まったときに初めて費用が発生する(年収の20〜40%)。 ・特定のポジションに対する人材を迅速に採用したい場合に有効。 |
直応募 | ・自由度が高く、自分のペースで応募できる。 ・転職エージェントを利用しないため、費用がかからない。 | ・応募管理や面接対策をすべて自分で行う必要があり、負担が大きい。 ・面接後のフィードバックがないことが多く、自己改善が難しい。 | ・採用コストがかからないため、最もコストパフォーマンスが高い。 ・志望度が高い求職者と判断する可能性が高いが、受け身の採用になりやすい。 |
転職サイト
転職サイトの特徴としては、求人情報が豊富で検索機能により自分に合った求人をピンポイントで見つけられる点です。また、匿名で利用できる場合があったり、企業からのスカウトも期待できるため、登録するだけで多くのメリットが得られます。
懸念点としては、多くの人が利用しているため、人気の求人には競争率が激しいです。また、エージェントからのサポートが受けられないため、履歴書や自己PR、面接対策に関して自己管理が求められます。企業側からの面接後のフィードバックが得られないこともあり、落ちた際に改善点を見つけるのが難しい場合があります。さらに、多数の求人に応募する際には、履歴書や職務経歴書の作成や応募先の管理に時間と労力がかかることがデメリットです。
企業側の視点では、転職サイトの利用には一般的に求人掲載費用がかかります。費用はサービスによって異なりますが、高額なサービスでは200万円から300万円以上が必要です。ただし、掲載後は採用人数に関係なく追加費用がかからないため、一人でも多くの求職者を採用することがコストパフォーマンスを高めることに繋がります。また、上位掲載された求人ほど費用が高くなる傾向があります。そのため、転職サイトを利用する企業は、大量採用を考慮している場合が多く、掲載順位が高いほど採用活動に積極的な傾向があります。
エージェント紹介
エージェント紹介サービスの最大のメリットは、専門的なキャリアカウンセリングを受けながら、応募書類の添削や面接対策などのサポートを受けられる点です。また、給与などの交渉や面接後や内定後のフォローアップが充実しています。
デメリットとしては、紹介会社が契約している企業の求人しか紹介できないため、求人数が限られることがあります。また、エージェントの質によってサービスの質が異なることや、エージェントの都合で選考が進められることもあり、自分のペースを保つのが難しい場合があります。
企業側が紹介会社を利用する場合は、成果報酬型の採用コストが一般的です。費用は求職者が内定を承諾した際に、想定年収の20%から40%がかかります。したがって、求職者と企業がマッチングし、求職者が内定を承諾した場合のみ費用が発生します。企業は採用コストに見合わない人材と判断した場合、内定を出さない可能性が高いです。特に特定のポジションに人材が必要な場合や、企業が求める人材の要件が限られる場合、または迅速な採用が必要な場合には、紹介会社を利用するメリットが高まります。採用コストが発生するものの、内定までは費用がかからずに人材を選定できる点や、エージェントから詳細な情報を入手できる点も利点です。
直応募
直応募の特徴としては、エージェントを介さず直接企業とやり取りができるので、面接スケジュールなどの自由度が高く、迅速に応募を進めることができる可能性が高いです。また、転職エージェントの利用には費用がかかる場合がありますが、直応募は基本的に無料で行えます。
ネガティブな側面としては、応募に必要なプロセスをすべて自身で管理する必要があるため、負担が大きいです。また、エージェントが介入しないため、面接後のフィードバックを受けることができなかったり、求人票に記載された条件に交渉することのハードルも高いです。さらに、多くの優良求人は非公開であり、これらの求人にアクセスするためには転職エージェントを利用する必要がある場合があります。
企業側の視点では、直応募だと人材紹介サービスや求人掲載費用の採用コストが一切かからない点が大きな特徴です。採用コストの観点から見れば、コストパフォーマンスが最も高い採用方法です。また、特定の企業に直接応募してきている点で、求職者に対して志望度が高いと好意的に判断する可能性が高いです。ただし、応募書類と求職者との面接でしか求職者の情報を得ることができず、かつ求職者からの応募を待つのみの受け身な採用になるため、特定の求める人材を採用できるハードルは高くなります。
まとめ
転職サイトは、多くの求人情報にアクセスできる便利なツールですが、競争が激しく、サポートが限定的である点に注意が必要です。一方、転職エージェントの利用は、専門的なサポートを受けられるため、転職活動を効率的に進めるために非常に有効です。ただし、エージェントの質やサービスの限界などのデメリットも考慮し、自分の状況やニーズに応じて利用することが重要です。
求職者は自分の状況やニーズに応じて、転職サイトの利用と転職エージェントの活用を組み合わせることで、より効果的な転職活動を行うことができます。たとえば、転職サイトで求人情報を広く収集し、興味のある企業に直接応募する一方で、転職エージェントを利用して非公開求人や専門的なサポートを受けるといった方法があります。
また、企業側の採用コストの実情やどの採用媒体を利用しているかで、採用活動の積極性や求める人材像の理解が深まりますので、ぜひこの記事を参考にしていただき、有意義な転職活動につなげていただければ幸いです。
▼本記事の英語バージョンはこちら
コメント